昭和三十八年春、東京ダイハツ入社、新入社員講習の時に「ゼネラルモーターズ」の年間取引高が日本の国家予算を上回っているという話は衝撃的であり、アメリカという国の大きさ、ものすごさを確認させるに充分であった。一社で日本の国家予算、終戦後すぐに立川で母と住んでいた私は「ギブミーチョコレート」を経験している世代であって、進駐してきた米兵達には少しの恐怖感と大きな尊敬の念をもっていたような気がする。彼等も少なくとも我々子供達には易しかった。このような体験からアメリカには夢と憧れを持っていた。アメリカ本土に初めて立った時の感動は今でも忘れられない。そのアメリカの「ゼネラルモーターズ」を日本の「トヨタ」が一社で抜こうかという勢いである。隔世の感がある。あれから四十五年日本の経済発展は途方も無い成長をした様に見える。しかし人々の生活はそれと同様に良くなったのであろうか。そうは思えない。何かとても大切な「もの」を置いてきてしまった様に思えてならない。「夢」も「希望」も持てない、何か一途にもなれない。バランスの悪さを感じる。東京のド真中の地下道に寝ている人の何んと多い事か、「これはおかしいですよ!」