◆昔の競売屋・その2◆
1年間に60件の収去(建物の取壊し)をしたIさん。
ある時一審で負けた事があった。
判決理由は『権利の濫用は、之を許さず』であった。
収去ではあるのだが、あまりに数が多過ぎたという事であろう。
民法の大前提を持ち出さなければならなかったところに、
判事の苦悶も読み取れるが、それに対してIさんは
『国は私を保護しないのなら税金を払う義務は無い。』
と、ジュリスト片手にまくしたてていた。
二審ではIさん逆転勝訴。
『一審の判決はあまりにも感情的である。』
と、二審。
Iさん、高笑いであった。
『ちなみにIさんの判例は100件を越える。』
と、本人が言っていた。
とても弁護士もかなわない様な達人が、競売屋にはいた。